なぜロールアップはデータ可用性レイヤーが必要なのか

専門用語を避けて説明しましょう：データ可用性（DA）はロールアップのセキュリティを支える基盤です。これなしでは、L2ソリューションは単なる信用できない表計算ソフトのようなものです。その理由をご説明します。

ロールアップのジレンマ

ロールアップは実行をオフチェーンに移すことで、低コストでイーサリアムレベルのセキュリティを提供すると約束します。しかし重要なのは、状態遷移が有効であることを*証明*する必要があることです。これには次の2つのアプローチがあります：

• オプティミスティック・ロールアップ：チャレンジ期間内に不正証明が提出されない限り取引は有効とみなす
• ZK-ロールアップ：暗号学的証明を使って数学的に正しさを検証する

どちらの方法にも共通する絶対条件は、必要時にロールアップの完全な状態を再構築できることです。ここでDAレイヤーが重要になります。

DAパワーハウスとしてのイーサリアム

現在、ほとんどのロールアップはcalldataにデータを埋め込むことでイーサリアムをDAに利用しています。しかしcalldataは高コストです。その理由は：

1. イーサリアムの履歴に永久保存される
2. スマートコントラクトからアクセス可能（純粋なDAには過剰）

EIP-4844はゲームチェンジャーです。「blob-carrying transactions」と呼ばれるデータパッケージにより：

• calldataより大幅に安価（約80%削減見込み）
• 約18日後に自動消滅（DAニーズに最適） 次期Cancun-Denebアップグレードでこの機能が有効化されます。

プロト・ダンクシャーディングの中身

EIPには革新的な技術が導入されています：

Blob経済学

別個の料金市場により、L1混雑時でもロールアップコストが急騰しません。DA専用レーンと考えてください。

KZGコミットメント

Blobは高度な暗号技術（BLS12-381曲線）を使い、将来的な検証に対応しています。PoCでは消費者向けハードウェアで3分未満での回路検証を確認しました。

今後の展望

EIP-4844は画期的ですが、現行の380KB/ブロック容量では全ロールップ需要を満たせません。データ可用性サンプリングを備えた完全なダンクシャーディングが次の飛躍となるでしょう。

開発者ミートアップでよく話しているように：「優れたスケーリングソリューションは分散化を妥協せず、*拡張*するものです」。EIP-4844でイーサリアムはWeb3が必要とする普遍的な決済レイヤーへまた一歩近づきました。